Tuesday, February 26

Winter Excursions

いまさらながら先月末、エジプトに旅行していたことを白状する。


ルクソールに2泊、カイロに2泊。途中アレキサンドリアへ日帰り旅行。
ようやく写真をアップしたので、いつものあちらから。

カイロは大きな街だった。高層ビルもたくさん並んでいる。新しいビルは少なくて、古びたくすんだ色のビルが大概だが、人や車があふれ、雑踏に喧騒、大都会だった。

久しぶりに見る同僚たちの活躍ぶりに、「同じ会社でもこんなにも仕事の内容や生活環境が違うんだな」なんて違うところで感心した。協力隊の歓送迎会に紛れ込んでみたが、なんかうまく現実感が掴めなかった。

カイロに着いたその日のうちにルクソールに飛んで、空港で早速タクシーの運ちゃんと一悶着する。市内まで80だって。アホか。40でも高いぞと言ってやった。物凄く困った顔をする。じゃぁ35でどうかという。カイロの同僚には20でも十分と聞いていたので、話しにならん顔をする。じゃぁ幾らならいいんだ、っていってきてもまだこちらからは値段を言わない。30まで下げてきたところで、20でどうだって提示した。夜の到着だったし、と勝手に基準を緩めて、じゃぁ25で、ということで落ち着いた。でも話はここで収まらない。車に乗って動き出したところで25EGPね。と確認すると、25USドルだという。アホか。1EGP(エジプトポンド)=20円くらい。1USドル=120円。6倍も違うじゃないか、ふざけるな、ということで車を止めてくれと叫ぶ。まったくもって頭にきて空港に向かって戻ろうとすると、運ちゃんは車をバックしてそれでも客を乗せようとする。結局25EGPで合意した。(エジプトでの思い出において、なかなか強烈だったのは、それぞれの値段交渉であったのは言うまでもない。)

観光バス客の多いこの街において、ほとんど個人旅行客に会わなかったのは残念と言うか、どこでなにを間違えたのか分からなかったが、Lonely Planetおススメのレストランも閑散としていて静かなものだった。一日に借り切ったタクシーの運ちゃんと一緒に過ごした時間がほとんどだった。

車窓から見える緑の濃さ、一面に広がるサトウキビ畑。年間降水量が少ないこの町で、これだけ豊かな農耕が営める辺り、さすがナイルの恵みだと感じた。王家の谷でツタンカーメンのミイラに遭遇し、ぷらぷらと遺跡を歩き回り、年間3mmというルクソールの雨に遭ったり。ガイドブックどおりの事件にあったり、慣れないくせに虚勢張ってタバコ吸ってみたり。適当に楽しんでいた。

アレキサンドリアでは乗り遅れた列車に飛び乗った。末尾の機関室のおっちゃんが手を引っ張ってくれた。地中海に面するこの街は、欧州の雰囲気を漂わせ、路面電車が街のアクセントになっていた。思っていたより海風は強く、潮の香りは普通だった。イスラム教とキリスト教が歴史的に混在するエジプトにおいて、文化の融合というか文明の交差点みたいなものを垣間見た。神殿の奥に描かれた壁画とか、彫像とか。そこをそうくっつけるとアジア的になりそう、そんなものもあった。こうやって文化が交わっていくのかな、人間も進化していくのかな、そんなことを勝手に想像した。

話は飛ぶが、アフリカの文化も面白そうだと思った。ピラミッドができた古代文明から、奴隷貿易が栄えた時代までの歴史が吹っ飛んでいる。ピラミッド時代、アフリカの各地からいろいろな資材や資源がエジプトに持ち込まれたことを考えれば、アフリカ大陸のそこそこにそれぞれの文明があったことになる。そのような歴史はまだよく知らない。

エジプトといえば「強い陽射しの下、砂漠に浮かびあがるピラミッド」のイメージだったが、この時期は気温が低く、ダウンジャケットを着て行ってちょうど良いぐらいの、富士山5合目のような感覚。霧の中に包まれていたため、近くまで行って霧の中から急に現れたピラミッドの大きさに、結構たまげた。なかなか幻想的なピラミッドに出会うことができた。

中学生の頃、「ムー」という雑誌を読みながらピラミッドは宇宙人が作ったものだ、と想像していたものだったが、実際に近くで見ると、確かに人間が作ったという確信が、なぜか湧いてきた。きっと壮大な工事だったに違いないが、確かに人が作り出したものだと思った。

旅に出る間にいろいろあって、しばらく心が渇いていたので、潤しているうちにあっという間に過ぎた休日だった。いい意味で肩の力が抜けていたが、ちょっと抜けすぎていたか、結果的に夢のような旅。
世界遺産を巡るには相応の体力を備えないとなぁ、と反省したり。まぁこんな一人旅もありなんだろう。

http://picasaweb.google.co.jp/littletern/EgyptExcursion

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