Friday, July 7

On Your Mark

おかげさまで無事に誕生日を迎えることができました。
「オヤジ化しないように」や「早く甥っ子をみせてくれ」という訳のわからない妹弟のメッセージや友人からの温かいメッセージを頂きました。どうもありがとう。

思えばそれは、これまで自分が積み重ねてきた結果なのだけれど、この一年は、ロンドンのオリンピック開催決定と市内同時テロで始まったことに象徴されるように、
なんだか妙に浮き足立ったまま、また自分でも予想もしなかった環境変化の中で、ゆっくりと自分をみつめる間を持つこともきちんとせず、混沌とした中で過ごしてきてしまった、振り返れば情けなさの多い一年だった。

今の感情とかをシェアできる存在の大切さや、自分を支えてくれる存在の感謝を忘れておきながら、John Mayerの曲にあった"I'm tired of being alone"というフレーズに縛られてもいた。

アフガンに来て、治安としては厳しい環境下だけれども、ともすると、宿舎の近所で遊んでいる子どもたちのハシャギ声や、空き地でサッカーに興じる少年たち、白いショールを被って学校に通う少女たちを見ていると、東京には無かった懐かしい環境だなぁと思うと同時に、自分自身、なぜかほっとしたりするのだ。
なぜだろう?

カブールに来て、頭は忙しいけれど体は意外と暇なので、この頃は無駄にいろいろ考える。
はてさて、この先どうしたものかなぁと。
時々わからなくなるのだ。
何が良いのか、この先、何処向いて進んでいけばいいのかなと。
近くで遊んでいる子どもたちを見ながら、自分は何ができるのかなぁと漠然に思う。

「自分らしさと原点」について強烈な自覚を持つようになったのは、14歳のときに高野悦子の「20歳の原点」を読んで以来だ。今は、ちょうどその倍を生きてきたことになる。
ある人との出会いと、自分の未熟さ、不完全さを嘆いて、早く大人になりたいと思ったあの頃。 あれから自分はどこまで成長できたのだろうか。
久しぶりに思い出した「原点」という言葉。しばらく自分の座右の銘だった。

「人間は完全なる存在ではないのだ。不完全さをいつも背負っている。人間の存在価値は完全であることにあるのではなく、不完全でありその不完全さを克服しようとするところにあるのだ。人間は未熟なのである。個々の人間のもつ不完全さはいろいろあるにしても、人間がその不完全さを克服しようとする時点では、それぞれの人間は同じ価値をもつ。そこには生命の発露があるのだ。」

いまだ緊迫する情勢のアフガンで、自分探しなんてやっていたら、後ろから思い切りひっぱ叩かれそうだけど、まずはここでの信頼を形成していくためには、与えられた仕事を頑張らなくてはならない。そしてこの国においては、与えられる仕事をこなすだけでは全然足りなくて、自ら課題を克服していく仕組みを考えださなくては、役に立たないのだ。けれども今の自分の不完全さだけは否定できない。回りを見渡せば、課題だらけなのだ。

「生きることは苦しい。ほんの一瞬でも立ちどまり、自らの思考を怠惰の中へ押しやれば、たちまちあらゆる混沌がどっと押しよせてくる。思考を停止させぬこと。つねに自己の矛盾を論理化しながら進まねばならない。私のあらゆる感覚、感性、情念が一瞬の停止休憩をのぞめば、それは退歩になる。」

まさに彼女の言うとおりな状況。
だが、何か困難な局面に会ったとき、いつもの自分の「未熟さ」を理由にしていた頃があったけれども、結局、立ち返る「原点」が一緒だったら、そこから成長することは無いのだと、気付いたのが5年前にアメリカでの交換留学を終えた頃。これは自分の中ではかなり大きな変化で、やればやっただけのリターンはあるのだ、と言う強い実感を得る機会があったから。
留学を終えて5年、ふとした拍子に、ともすると立ち止まってしないかねない環境下で、ここまで頑張ってこれたのは、自分自身への信頼と、周りの支えがあったからだ。僕の原点は、14歳の原点からは確実に変化している。

未だに、社会に対して臆病な自分を認めつつ、今の環境で自分の価値を見出していくのと同様に、自分に対する信頼を得るためには多くの時間が必要であると同時に、築いてきた信用を失うのは一瞬である怖さも知った。
それでも今の自分が駄目になりそうなとき、結局縋るしかないのは、これまで築いてきた自分と自分をとりまく環境だけだ。
負けない、投げ出さない、逃げ出さない、そして、もっと人を信じること、頼ってみることも覚えてもいいかなと思った。

Learn from yesterday, Live for today, Hope for tomorrow,
the Important thing is not to stop believing while questioning.


ここに来るまでに目標としていたことを、今から2年かけてじっくり挑戦してみることにする。
根拠は無いけれど、なんとかなる気がしてきた。
そんな28回目の誕生日。
the Best is always yet to be.

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