「人間の土地」 サン=テグジュペリ著 堀口大學訳 より
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人間であるということは、とりもなおさず責任を持つということだ。
人間であるということは、自分に関係がないと思われるような不幸な出来事に対して忸怩たることだ。
人間であるということは、自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ。
人間であるということは、自分の意思をそこに据えながら、世界の建設に加担していると信じることだ。
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たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる、そのときはじめて、ぼくらは平和に生き、平和に死ぬことができる、なぜかというに、生命に意味を与えるものは、また死にも意味を与えるはずだから。
去る11月の半ば、アフガン支援で大変お世話になったある先生の受賞記念パーティーで紹介された一節である。この日本で医師となり、正義と強い意志を貫き、困難に立ち向かい、アフガンと日本の地元の人々の双方から厚い信頼と実績を築いた一人のアフガニスタン医師。人間の困難に立ち向かい、他者に対し責任を引き受け、最後まで戦い抜く姿勢を持つことの、ひとつの成果、かたちをこのようにして目の当たりにした。文字通り感銘を受けたいい会だったあった。今年あった得がたい経験の一つである。
人間がこの地球に存在することの意味は、他者との競争ではない。すべては自分との戦いだ。
― 努めなければならないのは、自分を完成することだ。
(写真:Kabul City from Asmai Mt. July 2008)
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